自分だと気づきにくい?“レシーブされやすいスパイカー”とは
あなたは、トスもタイミングも完ペキで、放った渾身の一打。
正面にレシーバーがいてナイスレシーブをされてくやしい思いをしたことってありませんか?
しかも不思議とそんなことが多いように感じる。
そんな不思議現象の謎(笑)にせまります!
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自分だと気づきにくい?“レシーブされやすいスパイカー”
昔話ですがこんなことがありました。
他県のチームと練習試合をしていたときのことです。(6人制硬バレーです)
レフトから平行トスをクロス,ストレートと2枚ブロックを避けてスパイクするのですが、かなり高い確率でレシーブされました。
たしかに相手チームは各上でしたし、レシーブ力も高かったのですが、ちょっと取られ過ぎじゃないかと感じてました。
そのときは身体の調子も良く、自分のなかでは渾身のスパイクだったんですけどね。
さらに私がとくにレシーブされているような感じです。
(「お前が下手くそなんだろう?」というツッコミは伏せて頂いて(笑))
んー不思議だ。とひとりブツブツ悩んでいました。
メンバーには解らなかったようです。
するとそこへ相手チームのキャプテン(10ほど年上です)がこちらにこられて一言。
基本に忠実なフォームの弱点
相手チームのキャプテンは言いました。
「お前のフォームはキレイ過ぎる。」
? あ、ありがとうございます。
と思ったら続きがあって、
「フォームがキレイで素直だから打つコースが解る。いくら強打してもコースがわかればレシーブできる。」
のだと…。
基本に忠実なのが日本人のいいところ。
私もまったくそう思って練習してきました。
ヒトの能力を最大限引き出すための基本でありフォームなのですから、「キレイなフォームで何が悪い!」って心底思いましたね。
もちろん言い返してないですよ!ただただ「そうなんですか…。」と肩を落としていただけです(笑)
メンバーのなかにバレーを始めて半年くらいの後輩がいた(もともと身長も能力も高い)のですが、彼の方が粗削りで予測不可能なスパイクを打つため、レシーブしづらいのだとも。
続けてそのキャプテンは、
「俺は身長もお前と変わらないし、歳の差もあり身体能力ではお前の方が上だろう。でもバレーボールはそれだけじゃないから面白い。」
当時の私にしてみれば経験豊富な方から発せられる深い言葉でしたね。
考えることを楽しんで、そして考えればもっと上手くなると気づきをくれた言葉でもありました。
あなたは普段どんなフォームでスパイクを打っていますか?
もし、妙にレシーブされる不思議現象があるのであれば、 “キレイ過ぎるフォーム” で打ってるのかもしれませんよ。
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セオリーから外れた打ち方で決定率をあげる!
基本に忠実なキレイなスパイクフォームについて復習しましょう。
参考書によくみる打ち方ですが、右利きの場合の特徴としては
スパイクしたい方向に対し、
- 身体は右斜めを向く形
- 左腕はボール方向に真っ直ぐ伸ばしている
- 右腕,身体,脚は大きな「弓」のように反っている
などがあげられます。詳細は、スパイク(アタック)の基礎で紹介していますので、ご参考下さい。
みんなに広く知れている打ち方なので、セオリー。
そして相手レシーバーにとって予想しやすい打ち方なんですよね。
ですから、これらに反した、セオリーから外れた打ち方をしましょう。
ブロックアウト
「ブロックアウトなんてセオリーじゃん!」と思ったのだとしたらあなたはすでに技術力が高いと言えます。
ブロックを避けようと思えば避けれるのに、あえてブロッカーの手をかすめるだけの技術があります。
「なるほど。試してみようかな。」と思ったのであれば、こちらの記事でスパイク(アタック)のコツ-ブロックアウト-について紹介してますので、ご参考下さい。
超クロス
身体の向きから考える角度よりも深い角度をつけて打つスパイクです。
むしろ打つ瞬間に顔も身体もストレート側に向けるので、相手レシーバーに予想されにくいコースとなります。
詳細は、スパイク(アタック)のコツ -コース打ち分け-で紹介してますので、ご参考下さい。
身体の向きを変えないストレート
基本に忠実なキレイなフォームですと、ストレートを打つのであれば、ストレート方向に身体を向けます。
ですからこれと逆のことをします。
右利きの場合ですが、
- レフトからであれば、身体をクロス方向へ向けたまま、ストレートを打ちます。(バスケのフックシュートと似ています)
- ライトからでも、同じように身体をクロス方向へ向けたまま、ストレートを打ちます。(肩から先だけストレート軌道に振ります)
これらは、前述にあるキレイ過ぎるフォームに反して、相手レシーバーの予想の範囲を超えるスパイクなので自ずと決定率が上がります。
全てを自分のモノにする必要はありません。
ヒトの身体には特性というものがありますから、あなたに見合った “ちょっと変わった打ち方” という武器をもってみてはいかがでしょうか。
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さいごに
テレビ中継などに見る全日本バレーボールでも敢えてフォームを崩してコースを変える選手もいます。
もう引退されましたが、木村沙織選手の身体の向きからは想像できない確度で放たれる超クロスなども記憶に新しいです。
体重を乗せた強打ではないのに決定率が高かったです。
やはり相手の予想外をつくコースというのは大切ですよね。
逆に男子バレーに見る、キレイなフォームから全力で叩き込んで、ブロックをぶち抜くスパイクというのもありますが、これはまた別次元な気もしますけど(笑)
セオリーだけが絶対ではなく、あえていつもと違ったことに興味をもってみると、きっとまた一味違った景色が広がるのではないかと思います。
見方がかわれば考え方も変わる。考え方が変われば上手くなります。