スパイク(アタック)の基礎

ソフトバレーボールのみならず、バレーボールというスポーツで花形プレーはやはりスパイクだと思います。

個人的には拾いまくる守備職人タイプが好きだったりしますが、それはさておき、やはり強烈に床に叩きつけて即得点となるスパイクに憧れる方が多いのではないでしょうか。

この「スパイクの基礎」では、打ち方全般の流れフォームについて順にお伝えしようと思います。

 

[1番機会の多い、レフト(ネットに向かって左側)のオープントス(高いトス)をクロス方向(相手コートの右隅辺り)にスパイクすることを想定]

【注意】右利きです。左利きの方はライトオープン想定で、お手数ですが以下説明中の右,左を逆に読み取って下さい。

 

コース打ち分け,ワンタッチ,フェイント等技術はたくさんありますが、これらは応用でお伝えしたいと思いますので、まずは基礎を大切にお願いします。

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先に1.〜6.までを下の図で確認して下さい。

各ポイントの説明でもイメージしやすいかと思います。

(右手,右足が赤色になります)

 

 

では、それぞれについて詳しくお伝えしていきます。

 

1.セッターから距離をとる

セッターから距離をとる目的は、スパイクの助走に必要な距離をとるということです。

スパイク練習の場合は距離をとっている状態から行いますが、プレー中は急いで助走する準備をすることになります。

 

ネットに対して斜め方向※に侵入するために、コートサイドに距離をとるので、「開く」と言われてます。

 

※レフトからにクロスに打つことがコース打ち分けにとっても基本となる

 

2.トスの位置を確認する

セッターがあげるトスがどの辺りに落ちて来るか?スパイクポイントを想定します。

 

3.助走と踏み込み

オープンスパイクでは、三歩助走を使います。

 

1)右足(小幅)

2)左足(少し大きく)

3)両足(飛び込むくらい大きく)

 

「両足」と言われるんですが、実は進行方向に対し、斜めの向きで踏み込むので、右,左と時間差があります。

「イチ、ニ、サン!」の掛け声で、足元から聞こえる音は「タン、タン、タタン!」となります。

 

助走の勢いをジャンプに繋げる必要があり、急ブレーキをかけるために、左足の親指の付け根に最もチカラがかかります。

やってみると、進行方向に対し正対するよりも、斜め(極端にいうと横向き)の方が急ブレーキをかけやすいはずです。

 

【注意】バレーボールやバスケットボールなどジャンプを多用するスポーツでは踏み込み足の親指の付け根辺りは繰り返しストレスがかかりやすく、炎症など怪我しやすい部位でもあるため、柔軟性維持(ストレッチ)に特に気をつける。

 

そして、3)ではさらに気をつけて欲しいことがあります。

それは、踏み込む際に、両腕を背中側に振り上げることです。

 

これは高く飛ぶため空中でのバランス維持のためスパイクの威力をあげるために凄く大切なことで、筋力トレしなくても効果が出ますので是非。

 

あとは、1),2),3)の流れの中で、頭が揺れないようにキビキビと動くよう注意して下さい。

頭が揺れて走る方は効率が悪いんです。

短距離走で速い方は必ず頭が揺れてないですよね。

 

余談ですが、バレーボールの三歩助走って特有のリズムなので、携わってない方はほぼ出来ないんですよね。

凄く高く飛べる助走なので、高いところに手が届くって何かと便利です。バスケをしてる方に凄いって言われたり。

(ドリブルしながら三歩助走するとトラベリングですが…)

 

他には以下の助走がありますが、また速攻編などで触れたいと思います。

 

●二歩助走
三歩助走の2),3)のみ使います。

足の長い速攻や三歩じゃ間に合わないときなど。

 

●一歩助走
三歩助走の3)のみ使います。

速攻や二歩じゃ間に合わないときなど。

 

注意
助走の勢いに踏ん張りが勝てなかった場合は、身体が前方向に流れてしまってチカラが抜けてしまいます。

以降、斜め前過ぎるジャンプとなって、身体がネットに掛かってしまいます。

 

 

4.ジャンプ

上記Bで溜まったチカラを上方向に解放して飛びます。

下半身では、左足の外側にかかったチカラに打ち勝って伸びあがります。

上半身は背中側に振り上げた腕を真っ直ぐバンザイの形(上方向に)まで振り上げます。

 

この下半身と上半身の動きの連動で助走の勢いを無駄にせず、高く飛ぶことが可能となります。

 

5.空中のフォームをとる

上記Cでは最高到達点の手前の飛んでいる最中でした。

今から最高到達点までの間に空中でのフォームが作られます。

 

上半身では振り上げた腕の惰性(勢い)で身体が反り始めていますし、身体が反ることで下半身の膝も曲がり始めて(カカトがオシリに向かって)います。

膝が曲がっていくのは、意識して行うことではなくて、勢い良く腕を振り上げることで、身体が空中でのバランスを取るために自然と起きることです。

 

仮にこのまま両腕を後ろに流し切ると「幅飛び選手」のフォームになってしまいます。

 

右手でスパイクするためのフォームなので、右腕だけ背中側へ 引き(右ヒジは自然とたわみます)、

同時進行で左腕は前方斜め上へ真っ直ぐ伸ばします。

 

「身体を開く」と言われますが、進行方向に対し、身体は右斜めを向く形になります。

左腕はスパイクするボール方向に真っ直ぐ伸びて、右腕,身体,脚は大きな「弓」のように反っています。

 

最高到達点でこのフォームがしっかり出来ていることが理想です。

 

6.スパイク

上記Aのトス位置確認での想定スパイクポイントに間違いがなければ、左手前方にボールがきています。

伸ばした左手でボールをロックオンしている状態です。

この状態であればボールに右手を叩き込むのは意外と簡単です。

(ボクシングでいうと、左のジャブで距離を測って、右ストレートを叩き込む)

 

ヒトの身体は良く出来ていて距離が解れば本能で叩けます。

が、より良いスパイクを打つために順に動きをお伝えします。

 

左手を身体に引き込みます(左脇を締めるイメージ)。

その反動を利用して右に開いた上半身が右腕を引き連れて閉まってきます。

 

このときに、右腕がリキんでいると肩→右手と直線的な動きとなってボールに体重を乗せ切れません。

絶対ダメとは言えませんが、肩を回して打つのは若いときしかできませんし、負担もかかります。

 

右腕がリラックスした状態だと、身体が閉じるまで待てて、肩→ヒジが前に出てきた後に、手首のスナップの効いた右手が出てきます。

ミートの瞬間のスイングスピードはこちらの方が出ているはずです。

 

後は、ミートポイントですが、打点の高さと打ちたい角度や手の大きさでも変わってきますので詳しくは別でお伝えするとして、

 

手のひらを大きく広げて、中心をボールのどこに当てるかですが、

ヒジまでは出ないが、ボール1個半ほどネット上端より出る方を想定しますと、ボールの中心より3から4p上面を打つことになります。

目標は相手コートの右隅(対角線上)を狙います。

 

リキんでいると、ボールにバックスピンを与えてしまい、凄いアウト(ボールが伸びてとても遠くまで…)

いわゆる「フカしてしまう」ことになりますので、手の平を柔らかくボールに巻きつける様にしてドライブ回転をかけて打つようにしましょう。

弾くより、巻きつけるように打つ方が威力があります。

 

オシリ側に曲げていた脚もバランスを取るために、打つと同時に伸びてきています。

ですので、体重を乗せて打ち切った後は、身体が「く」の字に曲がっていると思います。

 

7.着地

左手は脇を締めて身体に引き込まれていて、振り抜いた右手はおヘソ辺り(クロス方向に素直に打つと大体おヘソ辺り)まで返ってきてる状態で着地し始めます。

最後まで綺麗にソッと着地を心掛けましょう。

 

【注意】ネットが近い場合は当たらないように、他のプレーヤーと近い場合は足を踏まないように(捻挫します)気をつけましょう。
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さいごに

順にお伝えするために、パート別にしましたが、全ては一連の流れの中で行うことですので少しずつ採用していってフォームを整えて頂けたらと思います。

スパイクのみならず、プレー全般に言えることですが、考えて身体を動かすのは最初の頃だけで、感覚として慣れてきます。

「考えてやってみる。たくさんやってみる。」

繰り返したら、必ず自分のものになります。

 

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