ブロックの基礎

基礎編「ブロック」についてご紹介します。

相手のスパイクを最も近い位置からはじきかえす。

そんなブロックは、技術と予測がものをいうプレーとなります。

 

ブロックは守備のイメージがありますが、強固なブロックは攻撃にもなります。

相手のポイントを防ぐだけでなく、直接こちらのポイントにもつながる重要なプレーです。

 

6人制の硬バレーとソフトバレーのブロックには大きな違いがありますので事前に確認しておきましょう。

それは、“オーバーネット”というルールです。

オーバーネットというのは、

「ボールと自分の身体との接触点が相手コートにある場合」をいいまして、ファールとなり即失点となります。

審判をしていても、おそらく一番シビアな判定となるファールなんじゃないかと思います。

自コートと相手コートとの境界はネットになり、ネットの厚みはほんの数ミリ。

その境界を手などが越えてボールに接触した瞬間をファールとするのですから、シビアですよね。

 

ルールの裏をかく小技などもあるのですがここでは、

ネットを越えてブロックしてはならない とだけ覚えておきましょう。

 

他にブロックするときに注意しておきたいルールがもうひとつ、“タッチネット”です。

ネットに触れてはいけない ということですね。

ブロックはネットとの距離が近くなるプレーとなり、タッチネットはやりがちですので気をつけましょう。

 

では、ブロックの基礎 本題です。

Sponsored Link


1.基本的なブロック

  1. 手をあげて構える。相手の動きを見ながら、ひざを曲げていく
  2. 相手のスパイクにタイミングを合わせ、腕を指先まで伸ばして、まっすぐ上に飛ぶ
  3. 手にスパイクが当たったら、手のひらと手首を相手コート側に少し角度をつけてかぶせるように、ボールを下方向に落とすようにする(ただし、オーバーネットにならない程度)
  4. タッチネットをしないように気をつけて着地する
  • ネット上での手の構えかたは、両腕を肩幅ほどに広げて、両手は開いて構え、小指をやや内側にしぼります。
  • 小指までしっかり力を入れて、ボールを逃がさないように心がけましょう。

  • 相手スパイカーの動きを見ながらコースを予測して、ボールに合わせて手を動かしましょう。
ネットとの距離に注意

ネットからはなれすぎていると、せっかくブロックの手にボールが当たっても、自分のコート側に落ちてしまいます。

よくいわれる“吸い込み”ですね。

またネットに近すぎても、タッチネットしてしまいます。

自分に合った距離を見つけましょう。慣れてくるとネットとの距離を身体が覚えて触らなくなります。

 

バンザイはダメ

ブロックのときに腕を広げすぎてしまうと、手と手の間をぬかれてしまうことがあります。

腕は肩幅の広さを保って、広げすぎないようにしましょう。

 

ブロックアウトを防ぐ

せっかくブロックがボールにあたっても、手のひらが外側を向いているとブロックアウトされてしまいます。

スパイクのボールが当たる瞬間に、手のひらの角度をコートの内側に少しかたむけるようにして、ボールを逃がさないようにしましょう。

 

2.ブロックのフットワーク

サイドステップ

ネットに正対したまま左右に動く“カニ歩き”です。ソフトバレーはコートが狭いのでこちらが主流のステップとなります。

  1. 1歩目をしっかり踏み出す。はなれた足を引きつけつつ交互にステップ
  2. ネットに正対しながら目的の位置まで進み、両足をそろえる
  3. スパイクに合わせて、ひざを深く曲げ、手を伸ばして高くジャンプ

 

クロスステップ

ネットに対して斜に構えて走るスタイルです。右足・左足とクロス(交差)しているように見えるからこう呼ばれていますが、単なるダッシュです(笑)

サイドからサイドへの平行トスなどに振られた場合にはこちらのダッシュでボールに追いつきましょう。

  1. 1歩目をしっかり踏み出して、ボールの位置までしっかり走る
  2. ネットに対して横を向きながら目的の位置まで進み、両足をそろえる
  3. スパイクにあわせて、ひざを深く曲げ、手を伸ばして高くジャンプ

 

ブロックの目の動き

あわてないで、ボール→セッター→ボール→スパイカーの順に目で追いながらブロックするようにしましょう。

相手チームのレシーブがあがったら、ブロッカーはまずボールを確認して、続いてセッターを見て、あがったトスを確認します。

最後にスパイカーを見て、その動きに合わせて焦らずブロックに飛びましょう。

相手はブロックを外そうとフェイントやコースを変えてくるので、しっかり相手の動きを目で追うことでひっかかりにくくなります。

2枚(2人)でブロックするときも、同じ目の動きを確認しましょう。

 

2枚ブロック

ソフトバレーでは2枚ブロックがセオリーとなります。

強烈なエーススパイカーが相手にいる場合には3枚もありかなと思いますが、オーバーネットできない=シャットの確率が低くなるので3枚の効果は薄いです。

  1. スパイカーの動きに合わせ、2人で移動
  2. 移動距離に合わせて、サイドステップやクロスステップを使って移動
  3. 目的の位置まで進んだらネットに正対し、スパイクに合わせ両足をそろえてひざを曲げる
  4. スパイクする相手の正面に入った選手が声を出して、息をそろえてまっすぐジャンプ

 

ふたりの間を空けない

相手スパイクのストレート側になった選手が基準となってブロックに飛びます。

クロス側の選手はそれに合わせて飛ぶことになりますが、ふたりの間をぬかれないように、隙間を空けないように注意して、声をかけながら飛ぶタイミングを合わせましょう。

Sponsored Link


“リードブロックとコミットブロック”

ブロックを飛ぶタイミングでも、ブロックの種類は分かれます。

  • リードブロック
  • 相手の動きをよく見て、トスがあがってから相手のスパイカーに合わせて飛ぶ

  • コミットブロック
  • トスが上がる前に相手のスパイカーの動きに合わせて飛ぶ

コミットブロックは、ジャンプしたスパイカーが時間差攻撃のおとりだった場合、実際のスパイクには対応できなくなってしまうのでリスクが高いですがが、クイック攻撃に対応するにはそのくらいの速さが必要となります。

また、スパイクを打たれる前に面を整えるのでシャットしやすいとのメリットもあります。

読みと勇気の見せ所ですね。思い切りおとりに引っかかると少し恥ずかしいですけど(笑)

※詳細は対速攻用リードブロックとコミットブロック参照

 

ブロックのコツ

基礎的なことにプラスして次の点に注意すると、より良いブロックになります。

親指と小指に力をいれ両手の甲を見る

両腕に余分な力が入らず、しっかりした面を作ることができます。あごを引いて、上目遣いに甲を見るようにすると相手スパイカーも見ることができます。

ネットから遠いトスにはゆっくり飛ぶ

ネットから遠いところにトスが上がった場合、実際にブロックまでボールが飛んでくるタイミングが遅くなるので、早く飛びすぎないように相手のスパイクのタイミングを確認しましょう。

ワンタッチ狙いには両腕を力強く押し出す

ネットから近くに上がったトスの場合には、スパイカーはブロックアウトやプッシュ、フェイントなどを狙ってくることが多いので、両腕を力強く押し出して防ぎます。(ただしオーバーネットに注意)

高い打点のスパイクには両腕を真上にあげてワンタッチをもらう

自分より高い打点から打ち下ろしてくるスパイカーに対しては、ジャンプまでのタイミングをゆっくりとり、腕を伸ばして真上にボールをはじくようにします。

男性スパイカーに対する、女性ブロッカーにも使えるワザですね。

チャンスボールに変えてしまうワンタッチはブロックすることと同等の価値があると思います。

相手が強打してくるエリアに位置をかえる

相手のコンビプレーを予測して、ブロックの位置どりを決めましょう。

また相手のセッターの動きとボールの行方、攻撃パターンのクセをしっかり確認して対処しましょう。

 

ブロック練習

練習はあまり好きではないのですが、ブロックの精度をあげるのには手の感覚を養うのが近道です。

2人一組で少し練習してみましょう。

  • 至近距離から手に当てる練習
  • 手を伸ばしてブロックの構えをし、至近距離からボールを当ててもらいます。
    指さきまでしっかり力を込めて、スパイクがブロックにあたる感覚を覚えましょう。

Sponsored Link


さいごに

ブロックの基礎についてご紹介しましたが、いかがでしょうか。

簡単にまとめると、

  • ネットギリギリの相手コート側にしっかり腕を伸ばす
  • 絶妙なネットとの距離
  • 肩幅の広さを保った両腕
  • 相手の動きを目で確認

となります。

ブロックでシャット(相手コートに急角度で跳ね返す)して即ポイントさせるのはブロッカーとしての花形プレーですよね。

これは気持ち良いですし、盛り上がるので「良い流れ」も引き寄せます。

しかし、ブロックには、相手スパイクをブロックして得点する他にも、

  • 相手スパイクにワンタッチさせてボールを勢いを低下させる
  • 相手スパイクをブロックの指先や手のひらに当てて、失速させて簡単にレシーブできる「チャンスボール」にする。

  • 相手スパイクのコースをふさいでレシーブしやすい箇所に打たせる
  • これはレシーバーとの連携ですね。直接ボールに触れる訳ではないのですが、ブロックでスパイクコースを限定させることで、レシーバーの正面に打たせて、見事ナイスレシーブしてもらおうというのが狙いです。

といった、直接得点以外にも活躍しますので、是非ブロックを覚えて、楽しみましょう。

 

サイト内検索はこちら↓