集中力の高め方−各プレーにおける意識−
自分のプレーの良し悪しを左右する「集中力」。
ゾーンに入っているとも言われますが、プレーに集中できているときほど、自分でも驚くようなプレーができたりするものです。
- スパイクを打とうとしたら、ブロッカー2枚の位置と、奥のレシーバーの位置まで見える
- ノーブロックで打たれているのに不思議と打たれるコースがわかってナイスレシーブ
ほんの一例ですがこれらは「集中力」があるからこそのプレーです。
「集中力」が大切なことはすでに知ってのとおりかとは思います。
しかしながら、解っていてもいてもなかなか集中できないのが人間なんです。
集中してもそれを持続することも難しいのです。
「さぁ、プレーに集中するぞ!」と自分に言い聞かしても、なかなか集中できませんし、ベンチから鬼監督に「集中しろ!」と怒鳴られても難しいものです(笑)
ではどうしたら、集中できるのか?結論から申し上げますと、
今狙うべきことを具体的に意識する
ことが効果的なんです。
実は私、一般の方よりも集中することが苦手です。
気が散りやすいといいますか、若い頃は「お前は試合中なのにボーッとしている!」と監督によく怒られたものです。
そこでまず、自分は他の人より集中することが苦手であることをよくよく理解して、どうしたら集中し,持続できるかを考えてみた結果が、「今狙うべきところを具体的に意識する」だったのです。
これを意識することで、いつでもプレーのことを考え続けるようになり、集中力を高めることができました。
今回はそんな集中力の高め方についてご紹介します。
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集中しやすい場面としにくい場面
そもそも集中しやすいプレーとはどういったときでしょうか?
プレーの得意,不得意により、個人差はもちろんあるのですが、例をあげますと、
- 自分がトスアップするとき
- 自分がスパイクを打つとき
このような場面ではヒトは集中しやすいといわれています。
なぜかといいますと、
自分が主役の場面だからです。
トスをあげようとするとき、意識していなくてもプレーするのは自分自身であることが決まっています。
スパイクを打とうとするときも同様で、自分のための時間なので集中しやすいのです。
「自分が○○する」という場面では“当事者意識が高い”ため集中しやすいんですね。
逆に、サーブレシーブしようとするときは、集中しにくい場面となります。
もうおわかりですよね?(笑)
自分がサーブレシーブするかどうかわかっていないので“当事者意識が低い”場面です。
サーブレシーブに苦手意識があれば「自分のところに来ないで欲しい」と思っているかもしれませんし、スパイカーであれば打つための準備へ意識がいっているかもしれません。
こういうときこそ、今狙うべきことを具体的に意識して、当事者意識,そして集中力を高めましょう!
各プレー別に具体的に意識するところをご紹介します。
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サーブレシーブの集中
このプレーが集中しぬくいというのは前述のとおりですが、もう少し補足しますとこの場面では、
- プレーがひと区切りついた場面(しかも失点直後)であり気が抜けやすい
- レシーブフォーメーションを確認している
- 相手チームがひとつローテーションして前衛にきたプレーヤーを確認している
- サインプレーをしている場合はセッターが出すサインを確認している
と、実はけっこう考えることが多くて、集中しにくい環境にあるんです。
そうして集中できないまま、サーブを打たれてミスして失点というのはありがちなパターンです。
しかもこのパターンは連続失点の可能性もありますので、ぜひとも避けたいところ。
ですからまずは、“そもそも確認することが多い場面”であることを日ごろから意識しておきましょう。
決してひと区切りの一息つく場面ではないことを強く意識しておいてください。
そうすることで、油断を抑え集中しやすい環境に近づけます。
それから自分のプレーの意識です。
- 相手はどんなサーブを打つのか?
(ジャンプサーブ?フローター?伸びる?落ちる?)
- どんなレシーブをしたいか?
(低いレシーブで速攻につなげたい?強打なら上げるだけで良しとするか?)
- レシーブしたあとどうするか?
(サイドスパイカーなら開く、速攻スパイカーなら助走スタート、レシーバーならカバー)
などといった具体的なイメージをもっておきましょう。
こういうイメージを日ごろ意識できているプレーヤーはすでに、サーブレシーブが苦手なプレーヤーではないはずです。
いつでも打たれても大丈夫な準備ができていて集中できていますから当然ですね。
最初は結果がついてこなくてもいいんです。レシーブ技術なんてものは後からついてきますから、まずは集中することが大切です!
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スパイクレシーブの集中
これはスパイクを打たれる瞬間のことなので、サーブレシーブに比べて、時間が短いですよね。
完璧なポジショニングというのは、経験(読み)にも左右されるので、そこは後からついてくるものとして、
構えてから打たれるまでに意識してできることを考えましょう。
スパイクレシーブで集中できていないときに起きるありがちなプレーは、
強打と思ったら、フェイントやハーフの軟打またはブロッカーに触って軌道が変わったことに対しての反応遅れです。
ヒトは「強打がくる!」と思ったら足が固まります。そこへ想定外の緩いボールがきたら反応できないんです。
「強打を怖がるな!」といわれても最初は難しいものですよね。
ですから想定の選択肢を多くもった状態でレシーブに入りましょう。
- 正面に強打なら腕に当ててみよう
- フェイントならここに落ちるだろう
- ブロックアウトなら右方向だけは反応しよう
といった想定選択肢です。
あなたに合った設定でいいんですよ?
急角度の強打コースには入れないと思ったら入らなくていいです。
その代わり、足の長いスパイクはレシーブできそうだから距離をおいて構える!とか、しっかり考えての選択であればOKです。
その場所であれば固まらずにいれるでしょうし、ハーフスパイクやワンタッチにも反応しやすいはずです。
できることからでいいんです。
大切なことは「こうきたらこうする!」としっかりイメージすることです。
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サーブの集中
さあ次は、あなたがサーブを打つときの集中です。
「自分が主役のプレーだから集中できてるけど?」と思ったかもしれませんね。
そのとおりです。最初から“当事者意識が高い”プレーなので集中しているはずです。
そんな場面なのにどうして取り上げたかというと、
実はこのとき、2つの油断が潜んでいるんです。
あなたがサーブを打とうとしているときの状況です。
ゲームの流れの引き込み方と悪い流れの防ぎ方でもご紹介していますが、
得点するための攻めのサーブを打つ場面か?それとも絶対外してはいけない場面か?といったことまで考えることができるかどうかです。
スポーツでは“視野が広い”といわれますが、自分のプレーだけでなく全体をみれる視点も集中力あったればこそです。
日ごろから「今どんな場面か?」意識できるプレーヤーであってください。
これはサーブを打った直後の状況です。
ヒトは良いサーブを打てたときほど、その球筋に目を奪われるものです。これが油断です。
会心のサーブが打てて見惚れてたら、相手コートからダイレクトに返ってきて目の前に落ちるといったシーン。あると思います。
本当ならチャンスの場面なのにもったいないですよね。
フォーメーションによりますが、男性プレーヤーはサーブ後、前衛まで(ブロックしに)いくことがあると思います。女性プレーヤーであっても直ぐにレシーバーになります。
ですから“サーブを打ったら、必ず前へダッシュ!”と自分ルールを設定してください。
すぐにはできませんから、習慣化してくださいね。
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さいごに
いかがでしょうか。この集中力の高め方、こんな私にも効果があったのですから、あなたにもオススメできると思いますし、私よりももっと、効果が発揮されるのではないかと期待しています。
一瞬のことであるスパイクにしても集中力の差がもちろんあります。やはり想定選択肢とイメージをしっかり持つことができているかでさらに集中力は高まります。
ぜひいつもよりも“今狙うべきことを具体的に意識”してプレーしてみてください。
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