ブロックにフェイントをかけてシャット率をあげる
基礎編のブロックで基本的なことをご紹介しました。
基本に忠実に繰り返せば充分な効果を得ることは間違いないですが、ここではブロックの応用技術として、
『心理戦でブロックのシャット率をあげる』コツについてご紹介します。
強烈なスパイクをブロックして、勝利の流れを引き込みましょう!
基礎編の復習になりますが、
“ブロックは、技術と予測がものをいうプレー”と伝えました。
ブロック技術と、相手スパイカーがどの手段を選択するのか、
- 球質の選択
- コースの選択
強打、 ワンタッチ狙い、プッシュ、ハーフスイング、フェイント
ストレート、クロス、センター奥
など、この多様な選択を経験と観察で予測することです。(実際は状況から、ある程度絞れますよね)
これはセオリーであって間違いなく大切なことです。
しかし、この選択をこちら側で意図することができたら?
できるんです!
100%操るわけではないのですが、完全なブロック『ドシャット』の確率を間違いなくあげることができます。
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フェイントブロック
どんなスポーツでも人対人である以上は、結局のところ心理戦によるところが大きいです。
スパイカー視点で考えれば、安全に打てるコースが見えれば、それを選択するのは当たり前です。
ですので、
自分のブロックしたいコース = 安全に見える相手の打ちたいコース
とできればブロックのシャット率はあがるということになります。
そんな自分だけにメリットのある状況を、
相手のレフトスパイカーに1枚ブロックで対応する場合で、
自分のブロックしたいコース = 安全に見える相手の打ちたいコース
これを今回の例では“クロス方向”とします。
ブロックする自分の立ち位置
ボール一つ分、ストレート側を空けた位置を取ります。
この位置でジャンプして、フェイント,ブロックと腕を振ることになります。
フェイント
ジャンプしてから空中で行う動作です。
予め空けておいたストレート方向を防ぐように、右斜め方向に腕を押し出します。
ボールに接触しなければ“オーバーネット”をとられないので、両手を押し出してプレッシャーをかけます。
“オーバーネット”
「ボールと自分の身体との接触点が相手コートにある場合」ファールとなり即失点
こうして、ストレート方向を抜くことは不可能だと相手スパイカーに思わせます。
さらに右手をコート内側へ向けて、ストレート方向にワンタッチを狙ってのブロックアウトをさせることも難しいとも思わせます。
こうすることで相手スパイカーは自ずとクロス方向を選択肢として意識します。
相手スパイカーがクロス方向を見て、
「ノーブロックじゃないですか!これはもう打たない理由がみつからない!」ぐらいに思わせることができたら、
“クロス方向へ叩き落す強打”を選択させることが確定します。
ブロック
前述のフェイントで“クロス方向へ叩き落す強打”を選択させることができたのなら、あとはそのコースへ手を持っていくだけです。
相手に安心して『ガラ空きコース』へ打ってもらうためには、焦りは禁物です。
相手のスイング開始の寸前まではフェイントの形を維持することを意識しましょう。
先に動くとこちらの狙いがバレてしまいます。
相手のスイングとともに、素早くコースを防ぎにいきます。
これが、フェイントブロックです。
空中でのことなのにずいぶんと説明をいれましたが時間にすると、もちろん短いです。(長くても2秒かからない?)
私の感覚では、フェイントに7,ブロックに3といった時間配分だと感じています。
グッとフェイントして、スパッとブロックします(笑)
フェイントにより、意図して相手スパイカーのコースを限定させ、それを見事ブロックできたら鳥肌モノですよね。
タイミングが絶妙だと、相手スパイカーは「なぜブロックされたかわからない」と思うことでしょう。
フェイントブロックに向いているプレーヤータイプ
上記の説明内容をみて、すでにお気づきかもしれませんが、
ある程度、高さのあるプレーヤーに向いています。
最低でも真っ直ぐブロックしたときに、ヒジ近くまでネットから出せるプレーヤーは問題なくできると思います。
そして、空中で動きをいれるのでボディバランス(体幹)も必要となります。
逆に手があまり出ないプレーヤーは、右に左に腕を振るこのフェイントは止めておきましょう。
振った手の指などにスパイクが当たると、サイド方向へ急角度に跳ね返る(ブロックアウトになる)可能性が高いです。
しかし、それほど高くないプレーヤーにも違ったフェイントブロックが可能ですのでご紹介します。
男女混合時における、女性プレイヤー最強説の隠れた3枚目ブロックの記事で、似たような内容に触れていますが、
ブロックに飛ぶのを遅らせて、ノーブロックでコースが空いていると相手スパイカーに思わせます。
そして打たれる瞬間(スイング開始と同時)にシュッと手を出してピンポイントでブロックします。
相手スパイカーが安心していればしているほど、急角度に叩き落そうとしてくるので手のひらに当てることができます。
手が出てればシャットも期待できますし、できないにしてもナイスワンタッチを取れてチャンスボールにすることも可能です。
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フェイントブロックで注意しておきたいこと
ファールに注意
基礎編でも挙げていますが、オーバーネットとタッチネットのファールに注意しましょう。
ネットを挟んだ状態で、さらに空中で大きな動きをするのでファールになりやすいです。
2枚ブロックでは連携が大切
1枚ブロックの場合は自由にフェイントで腕を振って、一人二役の2枚分がんばってOKですが、セオリーは2枚ブロックなので、
相方ブロッカーと連携することが大切です。
あまりに一人バタバタして、相方をケガさせてしまったら元も子もないですからね。
逆に、事前に打ち合わせて2枚で連携のとれたフェイントブロックができれば効果的です。
2枚ブロックを避けさせて、クロス方向に打ち込むスパイクを意図できれば、ピンポイントでドシャットできる可能性大です。
相手スパイカーの打点が低いと逆効果
少し意外かもしれませんが、相手スパイカーの打点が低い(高さがない)場合にフェイントブロックすると、
こちらが思い切り高さを出しているので、ヒジ近くにボールが当たりやすくシャットしにくくなります。
最悪ボールを吸い込んでしまいます。
高さもフェイント幅も控えめに、手のひらに当たるよう調整が必要です。
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【まとめ】
いかがでしょうか『フェイントブロック』。
私はかなり効果的なブロック技術だとして、特に1枚ブロックのときに多用します。
相手スパイカーが強気にインナー(クロス方向)に叩き落したいプレーヤーだった場合などは、1枚でも連続ドシャット可能です。
ただし、フェイントかけていることに気づかれるまでは(笑)
2枚ブロックのときはブロックの形を揃えることを優先して、フェイントは控えめに、1枚のときはフェイントの振り幅を広げるなどと考えれば、なかなかバレずに済みます。(あとは絶妙なタイミング)
前述にも書いていますが、人対人は結局のところ心理戦なのでいろいろ考えてみて実践していくことが大切です。